『東京ラブストーリー』を初めて見た

『踊る大捜査線』(1997年)をたまたま見たら結構面白かったので、織田裕二つながりで『東京ラブストーリー』(1991年)全11話をみた。本放送の頃は、会社も忙しく、残業当たり前時代(うちの会社だけ?)だったので、うわさには聞いていたが、一話も見たことがなかった。今回が初めての『東京ラブストーリー』である。

放送から30年が経過するが、今見ても色あせることなく十分い楽しめる作品であった。永尾完治(織田裕二)のやさしさと赤名リカ(鈴木保奈美)のストレートな気持ちがいじらしく、また高校の同級生であった三上健一(江口洋介)、関口さとみ(有森也実)が話しをこじらせてゆく。確かにリカの愛情表現は重荷になるかもしれないが、それ以上にカンチを想う気持ちが切なく胸にしみる。

また小田和正の歌う『ラブ・ストーリーは突然に』が見事にドラマを演出している。『ふぞろいの林檎たち』(1983年)のサザン『いとしのエリー』を彷彿させる。いわゆるトレンディードラマは観たことがなかったが、なかなか「やるじゃないか」ってことを、初めて知ったのでした。


▲永尾完治(織田裕二)と赤名リカ(鈴木保奈美)

眉村卓さん、天国でも作品を

11月3日、SF作家の眉村卓さんが肺炎で亡くなられました。85歳。最近見た眉村卓さんは本当に細くなられていたので心配していました。

小中学生の頃、私が一番読んだ作家が眉村卓さん。角川文庫の作品を端から端まで読んでいたと思う。特に好きだったのが『産業士官候補生』で過度の組織統率や文化の進化を風刺した短編集だったと思う。その中の「クイズマン」は自分もクイズ好きだったこともあり、またクイズ自体が作品に取り上げられることの少ないジャンルだけに、登場人物に思い入れをして読んだ記憶がある。

またNHKで大相撲中継の後、「少年ドラマシリーズ」として小中学生向けのSFドラマをシリーズとしてやっていたが、その中での1974年「まぼろしのペンフレンド」、1975年「なぞの転校生」、1977年「未来からの挑戦」(のち「ねらわれた学園」)が印象的で、わたしのドラマ好きを形成した作品群でした。

今あらためて想い出の作品を読み返し、晩年に妻との実生活を作品とした『僕と妻の1778の物語』(2011年公開)をまだ観ていないので鑑賞してみたいと思います。眉村さんは多作なので、ゆっくりお休みくださいと言っても筆を握っていることでしょう。ご冥福をお祈りします。

八千草薫さん、ありがとうございました。

八千草薫さん(88歳)が24日膵臓がんで亡くなられたことが所属事務所より発表されました。

やすらぎの郷を病気で降板されていたので心配していました。私の八千草薫さんのイメージは、本当に長く幅広い分野で活躍されたイメージがあります。山田太一ファンとしてはやはりTBSドラマ『岸辺のアルバム』(1977年)です。子供二人を大学に出す普通よりちょっと上流な家庭が崩壊して行くさまを全編に渡り見事に演じていました。

また特撮ファンの私には生まれる前の東宝映画『ガス人間第一号』(1960年)の映画をオールナイトで観た思い出もあり、その後の東宝特撮女優の礎を築いて頂きました。

最後まで女優であり続けた八千種さん。最近ではテレビ東京『執事西園寺の名推理』(2018年)で超資産家伊集院グループの財閥夫人を演じられていましたが、執事の上川隆也に話す言葉一つ一つに毅然とした上品さがあり、はまり役と思っていました。パート2の演技が出来ず、本人も大変残念だったことでしょう。

ご冥福をお祈りいたします。

『深夜にようこそ』は山田太一の先見性に感服

日本映画チャンネルのおかげで『深夜にようこそ』を観ることが出来た。1986年TBSで放送された山田太一ドラマで、DVD化もされていないため、今回が初めての鑑賞となった。

ドラマの舞台は、深夜のコンビニ。大学生の矢崎省一(松田洋治)が深夜番で一人担当のところに、村田耕三(千葉真一)がやってきて、その日から二人での深夜番となる。

今でこそ中年のコンビニアルバイトは珍しくないが、当時は学生アルバイトがほとんどだったと思う。深夜のコンビニに中年男がアルバイト、未来を見越した非常に興味深い設定である。

この他にも、お役様との会話がない現状に、お客様同士が話し合えるスペースを提案するが、これは現在のイートインとも思える。山田太一の先見性に感服である。

また秘密掛った耕三は、実はコンビニの親会社の人事部長であった設定。ベテラン社員を3人退社させることになり、精神的に不安定になり、コンビニで活きた営業をしてみたかったとの告白を最終回でするのだが、これも少し前に社会問題となったリストラである。

現在のコンビニは、件数こそ増えているものの24時間営業はピークを過ぎ、新しい方向へ進もうとしている。30年前の設定のドラマから、今後のコンビニを想像するのも楽しいではないか。

最後に、作品そのものが4回と少ないため、ストーリーや登場人物の設定が書き込めなかったところもあると思う。但し配役は『タクシー・サンバ』の「夜の少年」がコンビニに努めるまでに成長し、柳沢慎吾が来店10万人目に選ばれたり、石立ドラマファンとしては、富士眞奈美、山田吾一と会えたことも、楽しみの一つであったことを付け加えたい。


▲『深夜にようこそ』左から、松本伊代、松田洋治、千葉真一、名取裕子

 

『沿線地図』を初めて観た

ずっと見たかった山田太一原作『沿線地図』を初めて観ることが出来た。TBSチャンネルに感謝です。本放送は1979年なので、私は主人公の志郎(広岡瞬)、道子(真行寺君枝)と同年代になる。当時見ていたら、二人の立場で観ていたであろうが、現在は二人の両親の立場で観てしまう。

このドラマは、若い二人の家出、同棲から物語りが展開される。主人公の葛藤を中心に描いているのは勿論だが、志郎の両親松本夫妻(児玉清、河内桃子)と道子の両親藤森夫妻(河原崎長一郎、岸恵子)の心の動き(変化)が各々丁寧に描かれていて、ドラマの出演者全てを主人公にする群像劇が得意な山田太一の面目躍如といったところ。この2年後に放送される『想い出づくり。』と比較するととても興味深い。因みに児玉清さんは、両作品に出演。ちょっとインテリな生真面目な役が良く似合う。

だだエンターテイメントとしては、全体的にトーンが重く、最終回で謹造(笠智衆)が無くなるのはどうかと思う。私としては「しばらく旅にでる。捜さんでくれ」くらいにして欲しかった。第一話のナレーション「皆さんも一緒に考えて下さい」も、ちょっといただけない。フランソワーズ・アルディさんの『もう森へなんか行かない』もこの物語には合っていると思うのだが、やっぱり気持ちが沈む。

しかし、全体としてのドラマの展開は視聴者を飽きさせず、15話を存分に楽しむことが出来た。『沿線地図』のタイトルも意味深く、若い二人が周りに影響を与え、本当に正しいことは何なのか、本当の幸せとは何なのか、“考えさせられるドラマ”であることは間違いない。

<番組基本情報>
制作年 :1979年
全話数 :15話
制作:TBS
プロデューサー: 片島謙二
ディレクター・監督:龍至政美、大山勝美、福田新一、片島謙二
原作、脚本:山田太一
主題歌:もう森へなんか行かない
歌手:フランソワーズ・アルディ
出演:岸惠子、河原崎長一郎、真行寺君枝、児玉清、河内桃子、広岡瞬、笠智衆、新井康弘、岡本信人、野村昭子 ほか

「重版出来!」を一気見

日本映画専門チャンネルで「重版出来!」を一気見しました。マンガの実写化に定評のある野木亜紀子の脚本です。2016年同じ野木さん脚本のTBSで放送された『逃げ恥』を観ていたので、いつか観たいなと思っていたドラマです。非常に楽しみにしていたのですが、いや期待通りでした。

体育会系の主人公黒沢心(黒木華)がマンガ編集者として成長して行く姿を描いたものですが、主人公だけでなく編集部のメンバーや漫画家たちのキャラクターがよく描かれているので、ストーリーが自然と回っているドラマでした。

トラキチの「バイブス」編集長和田(松重豊)、デスク五百旗頭(オダギリジョー)、看板の重鎮漫画家三蔵山龍(小日向文世)と層々たるメンバーに囲まれ、仕事にまっすぐに取り組む昭和のテイストを含む仕上がりになっています。

10話で最終回となりましたが、電子書籍の問題や売れなくなった漫画家の再起、また営業部との絡みなど、まだまだ物語は膨らみそうなので、早く役者のスケジュールを抑えて、『重版出来!第2版』を希望致します。


(出典『重版出来!』HP)

『大停電の夜に』を鑑賞

2005年封切の映画『大停電の夜に』を鑑賞しました。第18回東京国際映画祭特別招待作品です。 原田知世が出演していたので、少し観る気になりました。

作品は、東京でクリスマスイブの夜に大停電が発生します。本作品の源孝志監督は、2003年8月14日にニューヨークで発生した大停電を扱ったドキュメンタリー『ニューヨーク大停電の夜に』(2003年、NHKハイビジョン)で構成を務めています。

物語は、大停電をきっかけにいくつかの出来事が並行して動き出すオムニバス方式で展開されます。豊川悦司と田畑智子のキャンドルに囲まれてのやりとりのシーンや原田知世と降り始めた雪、また夫を待つシーンでは「ひとりブレンディ」を楽しむシーンなど楽しく見ることが出来ました。

登場人物が豊川悦司が切り盛りするバーに集まって来る必然性が、どれだけ近くに住んでいるのか、普段客の入りが悪く閉店するんじゃなかたのか、と突っ込みたくなりますが、作品全体が静かで映像がきれいなので許すことにします。


▲『大停電の夜に』2005年、豊川悦司、原田知世

『ウルトラマンマックス』飛ばし観る

『ウルトラQ』『ウルトラマン』『ウルトラセブン』が大好きな私は、この作品い関しては、お勧めできるのですが、『帰ってきたウルトラマン』以降の円谷作品は、はっきり言って本編、特撮ともに完成度も悪く、ゼットンやバルタン星人Jr.の造形に至っては目を覆うものでありました。平成以降のウルトラマンは、ほとんど見ることをなく過ごしてきましたが、今回『ウルトラマンマックス』を飛ばしてみることが出来ました。

『ウルトラマンマックス』は、2005年7月2日から2006年4月1日まで、CBCを制作局としてTBS系列で毎週土曜日7:30 ~8:00に全39話が放送された作品です。本放送からすでに15年近く経つのですが、第1期ウルトラシリーズを知るおじさんも楽しませてくれる作品であることを今更ながら知りました

懐かしの俳優や怪獣たちが出る回を中心に20話くらい観ることが出来ました。実相寺昭雄監督の2話は異次元の世界で、「狙われない街」はウルトラセブン「狙われた街」の完全モチーフですし、「胡蝶の夢」に至っては視聴者を無視した(?)実相寺ワールドとなっています。

また準レギュラーに、長官のトミオカ・ケンゾウ(黒部進)、快獣生態学者のヨシナガ・ユカリ(桜井浩子)、ダテ博士(二瓶正也)や「扉より来る者」の考古学者:森次晃嗣、「怪獣は何故現れるのか」の劇中劇俳優の佐原健二、西條康彦など出演も楽しませてもらいました。特に黒部さんが植木はさみを森次さんが眼鏡を取り出すシーンなどサービスカットも満載でした。

ダッシュのメンバーも、主人公カイト(青山草太)、隊長ヒジカタ(宍戸開)、
正統派隊員ケンジロウ(小川信行)、発明開発者ホワイト(ショーン・ニコルス)が、どこか「ウルトラマン」の科特隊を思い出すものでした。女性隊員のミズキ(長谷部瞳)は戦闘もバリバリこなし非常に魅力的でしたし、アンドロイドのエリー(満島ひかり)は難しい役どころでしたが演技派の一端を見せてくれました。

食わず嫌いだった第2期以降のウルトラシリーズも、名作を中心に勉強しようと思った次第です。

山田太一の世界へいらっしゃい

山田太一脚本、田宮二郎主演の『高原へいらっしゃい』(1976年)を日本映画専門チャンネルで全17話観ました。初めて通しで観たのですが、やはり名作でしたね。

主演の田宮二郎演じるホテル支配人面川清次も勿論ですが、「八ヶ岳高原ホテル」の面々が個性豊かに描かれていました。副支配人:前田吟、ウェイトレス:由美かおる、ウェイトレス兼設備管理:池波志乃、ボーイ:潮哲也、ボーイ兼バーテン:古今亭八朝、コック長:益田喜頓、コック助手:徳川龍峰、雑務:北林谷栄、雑務兼運転手:尾藤イサオと10人のメンバーを見事に描き分けました。常田富士男、杉浦直樹も良い味を出していました。脇役も主役。これぞ、山田太一の真骨頂で、まさしく「山田太一の世界にいらっしゃい」と言われている様な作品でした。(♪さめても夢は消えやしな~い~)


▲『高原へいらっしゃい』(1978年)

<あらすじ>
経営難のホテル再建を目指す支配人たちの奮闘を温かなタッチで綴るドラマ。ホテルの面々や宿泊客を多彩な俳優が好演し、胸打つ人間模様を紡ぐ名作。東京の一流ホテルのフロントマネージャーだった面川(田宮二郎)は、致命的な失敗を犯したことで解雇され酒浸りの日々を送っていたが、大手鉄鋼会社社長の義父・専造(岡田英次)が所有する八ヶ岳高原ホテルの再建を微々たる予算で任される。面川は過去の失敗を糧に優秀な人材選びに奔走する。宿泊客に多彩なゲストを迎え、おかしく楽しく、時にはスリルとサスペンスを交えていく。2003年には佐藤浩市主演でリメイクされた。
(出典:日本映画専門チャンネル)

『時にはいっしょに』も最終回を鑑賞

『早春スケッチブック』に続き、『時はいっしょに』(1986年)の最終回を鑑賞。両親(細川俊之、伊東ゆかり)の離婚に心が安定しない子供たち(南野陽子、角田英介)の演技が初々しく良かった。前年、スケバン刑事Ⅱの麻宮サキでブレークした南野陽子が、難しい役どころの受験を前にした高校三年生を素直に演じていました。この2作品とラジオ『南野陽子 ナンノこれしきっ!』は、大きなステップアップになったことでしょう。歌を諦めていたら、良い女優さんになっていたかもしれません。


▲『時にはいっしょに』田川季代(南野陽子)

▲『時にはいっしょに』田川(河原)一家