『沿線地図』を初めて観た

ずっと見たかった山田太一原作『沿線地図』を初めて観ることが出来た。TBSチャンネルに感謝です。本放送は1979年なので、私は主人公の志郎(広岡瞬)、道子(真行寺君枝)と同年代になる。当時見ていたら、二人の立場で観ていたであろうが、現在は二人の両親の立場で観てしまう。

このドラマは、若い二人の家出、同棲から物語りが展開される。主人公の葛藤を中心に描いているのは勿論だが、志郎の両親松本夫妻(児玉清、河内桃子)と道子の両親藤森夫妻(河原崎長一郎、岸恵子)の心の動き(変化)が各々丁寧に描かれていて、ドラマの出演者全てを主人公にする群像劇が得意な山田太一の面目躍如といったところ。この2年後に放送される『想い出づくり。』と比較するととても興味深い。因みに児玉清さんは、両作品に出演。ちょっとインテリな生真面目な役が良く似合う。

だだエンターテイメントとしては、全体的にトーンが重く、最終回で謹造(笠智衆)が無くなるのはどうかと思う。私としては「しばらく旅にでる。捜さんでくれ」くらいにして欲しかった。第一話のナレーション「皆さんも一緒に考えて下さい」も、ちょっといただけない。フランソワーズ・アルディさんの『もう森へなんか行かない』もこの物語には合っていると思うのだが、やっぱり気持ちが沈む。

しかし、全体としてのドラマの展開は視聴者を飽きさせず、15話を存分に楽しむことが出来た。『沿線地図』のタイトルも意味深く、若い二人が周りに影響を与え、本当に正しいことは何なのか、本当の幸せとは何なのか、“考えさせられるドラマ”であることは間違いない。

<番組基本情報>
制作年 :1979年
全話数 :15話
制作:TBS
プロデューサー: 片島謙二
ディレクター・監督:龍至政美、大山勝美、福田新一、片島謙二
原作、脚本:山田太一
主題歌:もう森へなんか行かない
歌手:フランソワーズ・アルディ
出演:岸惠子、河原崎長一郎、真行寺君枝、児玉清、河内桃子、広岡瞬、笠智衆、新井康弘、岡本信人、野村昭子 ほか

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